開業マニュアル「カフェ開業版」
喫茶店・カフェ開業資金
飲食業の開店資金で必要とされる金額は、大きく分けて3つございます。
1. 物件費
保証金などを含む店舗の賃貸に必要で、保証金は3ヶ月〜6ヶ月・12ヶ月分など、物件によって異なります。
2. 店舗改装費(設計・施工費)
テナントなどは内・外装なし(スケルトン)の状態で渡されるので、それに掛かる工事費用のことです。 "居抜き"と呼ばれる現状渡しの場合は必要ないですが、代わりに権利金(造作譲渡料)が掛かる場合があります。
3. 設備・備品類費
厨房機器や空調などの設備から、汁器・イス・テーブル・メニューBOOK・制服などの備品類に掛かる費用のことです。 開店資金は、それぞれのお店によって変わってくるので、一概にいくらとはわかりませんが、一般的な目安を紹介します (居抜き物件の場合はもっと安くなります)。
カウンター主体のカフェの開店資金
カウンター主体のカフェの場合、レストランタイプのような形態に比べると少ない資金で開店可能です。
一般的な20〜30坪での開店資金は、500万円〜2000万円ぐらいですが、カウンター主体のカフェの場合は10〜20坪で300万円〜1000万円で可能です。
レストランよりも資金が少なくなる理由は、カウンターを活用することにより少スペースでの営業が可能なことと、 ある程度メニューを絞った店舗になることから、厨房設備に掛かる資金も少なくなります。
テイクアウトの開店資金
ハンバーガ・カフェや、お弁当屋さんのようなテイクアウト店舗の開店資金は、10〜15坪で300万円〜1000万円ぐらいです。 テイクアウト中心の場合、テーブル・イスや汁器などに掛かる費用が少なくなります。飲食店ではもっとも開店資金が少なく、手ごろにはじめられる業態です。
喫茶店・カフェ開業
- 資格・書類 必要な書類・資格 (個人で開業する場合)
- 保健所 * 営業許可申請書 * 食品衛生管理者資格
- 税務署 * 開業届 * 青色申告承認申請書 * 給与支払事務所等の開設届出書
- 消防署 * 防火管理者
- 職業安定所 * 雇用保険
- 労働基準監督所 * 労災保険
細かい内容などは、所轄の各担当機関によって異なりますので直接問合せをしてみるのがベストです。
特に、営業許可申請書は必ず所轄の保健所に相談し、設備面での アドバイスを頂きましょう。 調理師免許は必要ありません。調理師免許を持っていれば、食品衛星管理者になれるのですが、 食品衛生管理者資格の講習会を 保健所が開催しているので、修了すれば食品衛星管理者になることができます。
喫茶店・カフェ開業 スケジュール
開店してから経営計画が必要なように、準備期間にもスケジュールが欠かせません。
まず開業時期から逆算し"やるべきこと"を スケジューリングしていきましょう。 そうすると、喫茶店・カフェ開業までの全体の流れが見通せ、具体的にどう行動していけば いいのかが 見えてくるはずです。 ここでは開業を考えてからオープンするまでの期間を1年間と仮定し どういったスケジューリングをしていくかの例を紹介します。
有名カフェ・人気カフェをリサーチ!
- 人気カフェの立地・印象・接客サービス・メニュー・購読本の種類・雰囲気などをチェック!
- カフェ以外のいろいろなタイプの人気店からもヒントをつかもう。
- 雑誌、フリーペーパー、ネット、ブログなどで最新情報を入手しておこう。
- 最近の消費者ニーズ、飲食関連のトレンドを押さえておこう。
自分だけのオリジナルカフェのイメージを描こう!
- どんなお店をオープンしたいのかを絵、文章などにしてみよう。
- 書き出した項目を見て、"何を表現したいか"をはっきりさせコンセプトを設計しておく!
- コンセプトを設計する際は、ターゲット、立地条件、価格などを明確にすること。
オープンに向け行動開始!
- オープンするまでにどれだけの資金が必要か計算しておこう。
- コンセプト設計の際に考えた、立地条件に合うエリアで物件探しをしよう。
- 希望するエリアの物件相場、住民構成、好まれる店の傾向などをリサーチ!
- ドリンク、料理の種類、価格などを考えはじめよう。
- 知人・友人を呼んで考えたドリンク、料理を試食してもらおう。
お店に必要なアイテムをそろえよう!
- ドリンクや料理に使う原材料の仕入先、コストを考えよう。
- インテリアなどは、新品購入、手づくり、中古かなどを検討しよう。
- 保健所、税務署などに提出する必要な書類を揃えよう。
お金の準備をしっかりと!
- 自己資金を用意しよう。
- 開業計画書を書いて、融資先(公的融資にするか民間融資にするか)を比較・検討しよう。
- 月の売上目標を立て、どれくらい売り上げれば利益が出るのかを計算してみよう。
オープン直前!
- お店の名前を決定。看板、開店告知チラシ、店名印、HP、ブログなどを作成しよう。
- 各業者と交渉・納品、食器・備品の購入先などを決めよう。
- 電話の加入、営業許可申請などを行う。
- スタッフが必要なら求人広告を出し、面接・接客の教育などをしておこう。