今回は、R's Caf'eオーナー、
竹本匡克氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。
開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

PROFILE

竹本匡克/Tadakatsu Takemoto 
R's Caf'eオーナー 
昭和49年9月11日 生まれ　A型

保育園児で調理師になりたいと思い、小学生では作文にも将来の夢として残し、中学生では『独立』するなど小さい頃から明確に自分の夢があった竹本オーナー。その夢を実現させた今でも常にチャレンジ精神で経営。 
徳島県海部郡生まれ。25歳で独立。 
1999年9月に徳島市で開業。 
座右の銘は、「長いものに巻かれろ、長い者になれ」 
趣味は「ダーツ、DJ、旅行」

COMPANY

R's Caf'e
徳島県徳島市一番町3-30
TEL.：088-623-4787
営業時間：AM11：00〜AM3：00
定休日：月曜日

職歴、経歴など教えてください。

小松島西高校を卒業した後、大阪で就職をしました。そちらの会社は本店では料亭をしているんですが、その店の洋食部でフレンチ、フランス料理のお店で働いていました。グループ店を転々としながら５年間修行しました。２４歳になったときに徳島に帰ってきて、キャリアの幅を広げようと思い、今度はイタリア料理のお店に入りました。

独立しようと、ずっと思っていた感じですね！？

実は、保育所に行っていた頃から調理師になりたいと思っていました。小学生の時には、将来の夢として作文にも残しています。中学生になると「独立」ということをすでに思っていましたね。高校卒業時にはなぜか２５歳で店を持つんだと考えていました（笑）ですので、計画通り、その年齢になった時がターニングポイントになったということです。

すごいですね〜計画通りだなんて、では資金調達はどうでしたか？

銀行からの借り入れはしていません。自己資金と親からの援助を含めて４００万円くらいありました。あとはリースと、ローンが組めるようなものは極力それを利用するようにしました。厨房機器やエアコンなどはリースです。

掛かった費用の内訳を教えてください。

開業当時と今とでは、内装なんかもだいぶ違いますけど。当初、店舗は２２坪強くらいの広さでしたが、物件に１００万円、改装費に１００万円くらい掛かったと思います。大まかなデザインや、カウンターの高さなどは指示しましたけど、細かいところは（業者に）お任せしましたね。餅は餅屋ということで。

実際、開業してみて当時の売上げはどうだったでしょうか。

僕は短距離走があまり好きじゃないんですよ。マラソン派（笑）スタートダッシュするんじゃなくて、ゆっくりと計画通りに進めてきました。目標額とは必ずしも一致することばかりではなかったけど、アップダウンがあることは計算に入れた上のことだったので、納得がいく状態ではありましたね。点数にすると８０点くらいかな。それからまたゆっくりと右肩上がりです。

やめたいと思ったことや大変なことはなかったですか？

ないです。やめるときは死ぬ時だと思っていますから。また何をやっても何かしら大変なことはあるはずです。思っていたのとは違うこともありましたけど、それも経験ですので、そのことでやめたいと思うことはないですね。

開業してよかったと思うことはありますか？

お客さんとの交流の中で、友人・知人の輪が広がりました。スタッフはもちろんのこと、お客さんに支えてもらっています。うちのお店は常連の方が多いんですよ。辛口なことをおっしゃるお客さんもいますけど、そんな方だからこそ「おいしい！」と言ってくれた時というのはすごく嬉しくなります。お世辞じゃないっていうのが伝わってきますしね。料理の味をわかってくださり、客観的に嘘のないコメントをしていただける、そういうお客さんは有り難いですね。

成功したポイントはなんでしょうか？

柔軟性かな。特に大きな失敗はありませんが、成功はまだまだですよ。今はまだ成長過程ですね。そんな中で、いろんなものを取り入れていく柔軟性が必要だと思っています。お客さんに頼まれて、メニューにないものでも作ることがありますよ。「できない」と言うんじゃなくてさらにアレンジもするくらいの心意気でやっています。あとは、時代や時流に合ったものを提供していくことですね。今は割と高級志向になっている感がありますので、レアな食材を使ったものとか、質の高いもの、ブランド力の強いものを使うことを考えながらやっています。少し前なら、もうちょっとリーズナブルなものの需要がありましたので、質はできるだけ落とさないように、コストを下げて、値段も下げられるように工夫しましたよ。

これから独立する方へ一言お願いします。

「為せば成る。為さねば成らぬ何事も」人生一回きりなので、後悔をしないように。近頃よく「開業したい」と言って相談を受けます。迷っている様子がある時は「進みなさい」とアドバイスしています。「どうしていいか迷う時には進みなさい。やってみればいいじゃない」と。リスクを恐れて迷うんでしょうけど、リスクなしには開業なんかできないですから。それを背負いたくないのであれば、開業なんて止めておくことです。どんなリスクがあるかはよく見極めておく必要がありますよ。ある程度想定できていれば、それへの対策、解決方法を考えればいいわけですから。「なんとかなるさ」ではリスクは回避できないです。「利息が払えないかも」、それはきちんと試算、計算ができていないからですよね。 
商売は自信を持ってやらなきゃだめですよ。「売れないかも？」ではなく、「売ろう！」と思わなければね。開業するのは簡単ですが、それを継続していくのは難しいです。利益が出ているからいいと思うのではなく、１０年、２０年続けていけるものをいかに作るか、そこが大事です。うちの店ももうすぐ１０周年ですが、今までやってきて、そのあたりは断言できるところです。