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開業体験談 Vol.14 「初めての海外、ホームステイで世界観がガラッと変化」

inai.jpg今回は、ラーメンまる福オーナー、
紀川充廣氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。
開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

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PROFILE

稲居泰司 / Yasushi Inai 
焼肉居酒屋 駒屋 オーナー
昭和43年8月28日 生まれ AB型

徳島県板野郡生まれ。29歳で独立。 
高校卒業後、有名パーツメーカーに10年間務める。アルバイト仲間の影響で行ったニュージーランドでのホームステイにより世界観、人生観に大きな変化が現れる。
1999年6月に徳島市で開業。
好きな人は、「家族」

COMPANY

焼肉居酒屋 駒屋 
徳島県徳島市蔵本町2丁目14-6
TEL.:088-632-8747
営業時間:PM17:00〜AM12:00(LO11:00)
定休日:不定休

高校を卒業されてからの経歴、職歴を教えていただけないでしょうか。

高校を出て、西精工株式会社に就職し、10年間勤めました。そこに勤めながら、他にもアルバイトをしていました。知り合いがやっている居酒屋に「週末だけでも手伝ってくれないか」と誘われて、会社が終わってから手伝っていたのです。そこには、23歳の時から5年間手伝っていました。その他に、大阪の「モンベル」というアウトドアメーカーが吉野川でラフティングの事業をしていて、知り合いを通して頼まれたので、その仕事もしていました。平日の夜は居酒屋のアルバイトをして、日曜祭日は吉野川の大歩危で川下りの仕事をしていたのです。

そんなお忙しい中、独立のきっかけは何ですか?

photo2.jpg居酒屋のアルバイトを始めて3年くらい経った時から、段々独立したいと思うようになりました。僕は、寮ではないのですが、会社の敷地内に住んでいたのです。そうすると、毎日仕事が終わっても仕事の延長のような状態になり、疲れ果ててしまいました。「缶詰状態」と言うのはおかしいのですが。会社自体は良かったのですが、段々辞めたいと思うようになっていました。
そんな折、会社を勤め始めてから10年目の事だったと思いますが、川下りの仕事をしている仲間がニュージーランドによく行っていたので、自分も行きたいと思うようになりました。ちょうど、ワーキングホリデーでニュージーランドに行っていた友達がいたので、休みを取って遊びに行ったのです。そこに1ヶ月滞在して、様々なことを見聞きして感じたことは、「英語が話せなくても、どうにかなるのだったら、独立してもどうにかなるのではないか」ということでした。それで、帰って来てすぐに「辞めさせてください」と会社を辞めました。
その時までは、夢の実現に対しては硬く考えていたけれど、ニュージーランドに行って「自分でやりたいことを、やったほうがいい」と思うようになったのですね。考え方がガラっと変わりましたね!徳島から出たことがなかったからでしょうか!(笑)世界観が変わったというか…でも独立はすぐにはする気はなかったから、居酒屋のアルバイトを続けていました、でもそこのオーナーとは個人的にも付き合いがあったから、どうしても甘えが出てしまうと思い、その店を辞めて、違う焼き鳥屋に変わりました。そこで1年勤めました。

独立の時の資金調達はどのようにされたでしょうか?

会社に勤めていた時に社内貯金があったのです。あと、足りない分は親から借りました。銀行からの借り入れはありません。

では、創業時に掛かった金額を教えていただけますか?

家賃が15万円で、敷金が3か月分です。内装はまだきれいだったので、そのまま使いました。だから内装工事はほとんど必要ありませんでした。あとは、ダクトとかお肉を焼く道具とか、冷蔵庫などは知り合いを通じて安く分けてもらって、掛かったのは200万円の後半くらいです。あとは運転資金に100万円で合わせて、初期費用は400万円くらいですね。

創業時の売り上げはどうでしたか?

photo1.jpg外観写真最初の2.3ヶ月は、友達が来てくれたり、ものめずらしかったので売り上げは1ヶ月に180万円くらいになりました。しかし4・5ヶ月頃からは不景気も影響して、売り上げも140万円くらいになってしまいましたね。この状態がかなり続きました。仕入れも何もかも高くなり、大変でした。今も大変ですけどね(笑)。

ではそんな頃やめたいなと思ったことがありますか?

やめたいと思うことは何回もありますよ。売り上げも思うようにはいかない時など。また、独立すると時間は自由になると思っていたけれど、今は会社員だった方が自由だと感じています。それが嫌という訳ではないのですが、思っていたことと違ってはいましたね。今も休みはほとんどなくて、2ヶ月に1回あるかどうかです。暇な時は、昼間にちょっと釣りに行ったりしますが、頭の中はいつも店のことを考えていますね。

そんな時どのように乗り切ってこられましたか?

僕はあまりややこしく考えない方だから、とりあえず頑張っていただけです。暇な時は友達に電話して店に来るよう誘ったりしました。お客様が来て忙しい時は考えないけれど、暇になると「このままでは駄目なのではないか」と考えてしまいますね。「この店の雰囲気が悪いのではないか」とか、「メニューがだめか〜?」など要らないことを考えてしまいますよ。(笑)

開業してよかったということはありましたか?

人間関係が広がったのが良かったですね。あとうちでアルバイトをしていた子がお客様と結婚したのも嬉しかったですね。5人程、うちの店を通じて結婚してくれましたよ。そして子供を連れて遊びに来てくれたときは、本当にこの仕事で良かったなあと思います。

成功したポイントは何だと思いますか?

photo3.jpg成功はまだしていないと思いますけどね。皆考えていると思いますが、成功している人は前向きな考えをしていると思います。そして今の状態で満足せず、常に新しいことを考えながら前向きに取り組まないといけないと思います。いつも同じでは、お客様が飽きてきますしね。

これから独立される方に一言お願いします。

独立のきっかけは何でも良いと思います。ただ、店を作ることは誰にでもできるけれど、経営をし続けるのは大変なことです。徳島は経営的に考えると、人口に対して店が多すぎると思います。だからこそ、常に新しいこと、他にはない個性的なものを考えて継続していく事それが大事だと思います。