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開業体験談 Vol.16 「結婚式に立ち会えたとき、開業してよかったと実感!」

marufuku.jpg今回は、ラーメンまる福オーナー、
紀川充廣氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。
開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

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PROFILE

紀川充廣/ Mitsuhiro Kikawa
ラーメンまる福 オーナー 
昭和26年1月14日 生まれ A型 

徳島県徳島市生まれ。35歳で独立。 
17年間コーヒーの有名卸会社に勤める。35歳で会社勤めをしながらバーを営むが本社勤務で社長と接するうちに独立心が膨らみ、38歳で退職、開業。 
2000年8月に徳島市で開業。 
好きなものは、「美しいもの」

COMPANY

ラーメンまる福
徳島県徳島市川内町大松402
TEL.:088-665-2723
営業時間:AM11:00〜PM11:00
定休日:火曜日 
携帯用URL  http://3614.jp/marufuku/

独立前の仕事は何をされていましたか?

17年間コーヒー豆の卸「ダートコーヒー」に勤めていました。 そのうち徳島支店に12年間、高松の本社で5年間いました。そして、35歳の時にバーを勤めながら開業しました。

独立のきっかけは何でしょう?

photo1.jpg僕は今56歳ですからね、僕が社会に出た頃は55歳が定年といわれていました。55歳で会社から放り出されるのだったら、今のうちに何かやってみようというのがきっかけです。若ければ無理も利くし体力もあるし。体力、気力全てが整っているから、結果的に早くに独立して良かったと思っていますよ。20年間で色々な勉強ができましたからね。僕は「ダートコーヒー」という会社は好きだったし、毎日が楽しくて気が付いたら17年間いました。しかし、「ダートコーヒー」は個人企業で、社長はオーナー社長です。「僕が幾ら頑張ってもこの人の上には行けないんだ」と思い、それなら自分でやるしかないと考えたのです。徳島営業所にいた時はそうは思わなかったけれど、本社に移って社長と会う機会ができて、それを考えるようになりましたね。今思うのですが、徳島にいたら辞めていなかったかもしれません。そう考えて、35歳から独立の準備をし始め、38歳で退職しました。だから、会社に勤めながら仕事を始めたのですね。僕は貧乏人ですからね、会社を飛び出してから準備するなんてできませんでしたよ。僕が勤めている間、妻がバーの店をしていたのです。僕は、夜高松から帰って来て、それから店を朝までやって、また仕事に行く。そういう状態が3年間続きました。独立するには、頭か体力のどちらかを使うしかないですからね。頭の良い人は頭を使えばいい!でも僕は体を使いました(笑)

では、独立の時、お店の資金調達はどうしましたか?

今もそうだと思いますが、銀行はサラリーマンにはお金貸をしてくれません。サラリーマンが、「商売します」と言っても誰も貸してくれませんよ。担保があれば別ですが。平成元年に、相互銀行が小口金融で200万円までは無担保で貸してくれるという制度があったので、それで僕は車を買うという名目で、200万円づつ5社から1000万円借り入れをしました。

創業時に掛かった金額を教えていただけますか

photo2.jpg家賃が20万円、敷金が10ヶ月分で200万。合わせて、物件費は220万円掛かりました。今では敷金は3ヶ月から半年分だけど、当時は必ず10ヶ月でしたね。僕の店は、栄町のホテル・ファースト・インの中でしたから、家賃は一坪2万円でした。10坪にも満たない9,8坪でしたが20万円しました。内装費は、「ダートコーヒー」に勤めていた時に内装関係の人と付き合いがあり、その人にお願いして300万円で済みました。あとの残りが設備費ですが、店を契約したのが8月でオープンが11月20日だったのです。だから、オープンまで利息を払い、家賃も払いながらの設備準備ですから、お金がなくなってしまいました。幸い11月はクーラーが要らないので翌年まで取り付けを延ばし、冷蔵庫など、ローンを組めるものは全て組みました。それでも足らなくて、50万円を追加で借り入れしましたね。あとあるのは、やる気と体力と自信だけでした。

それでは、オープンしてから売り上げはどうでしたか?

大変でした。大変だから、店を持ってからも会社勤めをしていたのです。僕の店の名前は「YUMEJI」というのですが、案外有名な店だったのでお客さんはよく来てくれました。しかし、毎月の支払いは50万円を越えていましたから、足らない分は僕の給料を当てていたのです。当時は管理職をしていたので給料は良かったですからね。

辞めたいとか、駄目かなと思ったことはありましたか?

それはないですね。借金があるから、そのようなことは考えられません。やめられないんですやるしかありませんよ。ここを去年300坪買いましたから、また借金ですよ。(笑)駄目だと思うより、やるしかないと考えるのです。

ではどのようにして乗り切られたのですか?

photo4.jpgいつも保証人を立てないで借り入れをし、ここもそのようにして買いました。迷惑を掛けたくないですから、保証人には誰にもお願いしていません。それでもやってくることが出来たのは、会社勤めをしながら妻と店を経営していた、その時に得た自信があるからですよ。

開業してよかったと思うこと、感動した事はありますか?

サラリーマンで組織の中にいると、部下には偉そうに言わなければいけないし、上からも言われたくないことを言われます。組織から出たら言いたくないことを言わなくても良いし、言われたくないことを聞くこともなくなったので、すごく楽になりましたね。収入はサラリーマンの時の方が良かったし、毎日が楽しかったですね。あ〜今も楽しいですよ。だから楽しい事をやればいいと思いますね。僕は、会社にいた時、部下に「嫌だったら辞めたらいい」と言っていました。辞めても、必ずその人に合う仕事があると思いますよ。

成功したポイントは何でしょう?

お客様は、お金を運んでくれる本当にありがたい存在です。お客様全てが大事です。100パーセント大事にすることです。これは、言葉で分かっても体では分かりません。創業社長でない限り、分からないと思いますよ。今言えることは、今までお客様を大事にしてきたから、ここまで出来たのだと思います。お客様がいなかったら、ここを構えることも出来なかったと思いますよ。だから、お客様に安心して入ってもらえるように配慮することが必要なのですね。

これから独立する方に一言。

僕は飲食店しか知らないのですが、飲食店を経営したいと思っている人に対しては「いっぱい店を見てくれ」と言いたいですね。色々食べてみて、「何でこの店はおいしいのに流行っていないのか」「何でおいしくないのに流行っているのだろうか」など考えてみることです。必ず答えが出ますから、その答えが見つからないと、開業しても難しいですね。必ず答えがありますから、自分の目で見て考えることです。