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開業体験談 Vol.25「お客様の求めるモノを追求。ぬくもりあるお店したい」

depo-.jpg今回は、ギフト雑貨・木のおもちゃ DEPOT オーナー
高田健司氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。
開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

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PROFILE

高田健司/Kenji  Takata 
ギフト雑貨・木のおもちゃ DEPOT 
オーナー 
昭和41年6月29日 生まれ O型

徳島県徳島市生まれ。27歳で独立。 
大阪デザイナー専門学校を卒業後、広告代理店などを経験後、ヨーロッパのおもちゃの写真集の影響と子供達のために安全安心なおもちゃを扱うお店をオープン!『物語を売るお店作り』を心に地域に密着し展開中! 
1994年3月に徳島市で開業。 
座右の銘は、「一期一会」 
趣味は、「子育て、犬、バイク、釣り、酒」

COMPANY

ギフト雑貨・木のおもちゃ DEPOT(デポー) 
徳島県徳島市沖浜東1丁目36-5 日峰ビル1F
TEL.:088-656-0636
営業時間:AM10:00〜18:00
定休日:月曜日・第一火曜日 
URL  http://www.depot-net.com/

独立するまでの職歴・経歴を教えてください。

大阪のデザイナー専門学校卒業後半年間、「カプコン」というゲームソフト会社でキャラクターデザインを担当していました。その後徳島に帰ってきて、電通で1年半勤めその後、広告代理店でデザイナーとして5年間勤めていました。

開業しようと思ったきっかけは何でしょう?

deposoto.jpg広告代理店でデザイナーをしていたときの資料に、ヨーロッパの木のおもちゃを特集した雑誌の切抜きがありました。色使いやフォルムがとても美しくデザインの参考にしていたのですが、妻が妊娠しおもちゃを見る感覚が変わってからその資料を見ると、単に美しいだけではなく素材・形状・塗料などの安全性はもちろん、子どもの想像・創造力を大切に考えていることに関心を持ち、木のおもちゃの魅力に引かれていきました。また学生時代から小さな店を持ちたいと薄っすらと思っていました。好きな車を店の前に止めて、常連のお客様が集まる温かい雰囲気の店で静かに時を刻めれば・・・、と思っていたのです。その両方の思いが重なって「徳島に自分のイメージする木のおもちゃの店がないのなら、自分で始めてみようか」と思ったのがきっかけですね。

独立される時の資金調達は?

自分の蓄えは、100万から200万円くらいでした。残りの600万円は国民金融公庫から借り入れをしました。「このような店で木のおもちゃを販売します」と、自分でデザインした店舗のイラストやロゴマークなどの資料を持って行って見せました。そのせいか、スムーズに借り入れができましたね。 内訳は店の改装費と設備備品費等は、合わせて300万円掛かりました。物件費は当時今より1/3の大きさの店舗面積だったので家賃が月12万円で敷金などが半年分です。後は商品の仕入れですが、本当に必要なものは何かと考え、量より質の良い物を選んで仕入れましたので、どうしてもお金が要りましたね。

では創業時の売り上げはいかがでしたか。?

その時はその時で満足感がありましたが、今考えるとよくそんな金額で満足していたなと思います。しかし、満足感というか、達成感はありましたね。

では、辞めたいと思ったことはありますか?

deposoto2.jpgないですね。毎日が楽しいですよ。来てくれるお母さんたちは、子供の将来を考えて、何を与えたら良いのか真剣に考えている人が多いのです。お客様はみんないい人ばかりです。そういうお客様との出会いが楽しいから、辞めたいと考えたことはないですね。

お店の名前「デポー」はどういう意味、思いがあって付けたのでしょう。

英語で“倉庫”とか“貯蔵庫”という意味があります。蔵の中って何があるかワクワクするじゃないですか。その感覚で店内を見てもらいたいと思ったのです。また山で遭難しそうなときに逃げ込む小さな小屋があるでしょ。その“非難小屋”という意味もあり、日々の生活で少し疲れた気持ちを癒しに訪れてくれたらという思いで付けました。それと響きが良くて聞き取りやすい名前なので、小さい子どもでも言いやすいし覚えやすいでしょ!

開業して良かったと思うこと、感動したことはありますか?

depontnnai2.jpg良かったと思うことのひとつに、毎日色々な人に出会えることがありますね。僕は人と会ったり話を聞いたりすることが好きなので、今の仕事は自分に合っていると思います。子どもと遊ぶのも好きですし、モノを作ったり修理することも好きですから、幼児の遊びや絵の教室をしたり、女性のための木工教室もしています。オリジナルの木の時計も手作りしていますよ。 
また、ただモノを紹介するだけでなく、それを生活に取り入れることでどのようなライフスタイルになるかを一緒にお伝えしています。モノを売るのでなく“物語を売る” ように心がけているということでしょうか。 
また、全国の同業者と一緒に海外へ行くなど、日々出会いがあるので開業して良かったと思っています。

では成功したポイントは何でしょうか?

まだ成功したという実感がないですね。ただ、お客様に対して何ができるだろうかということをお客様の立場になって考え、接していくよう心がけています。また、「何かちょっと嬉しいな」「なんだか来てよかったな」とお客様も気が付かないような部分での“目に見えないサービス”ができるように細心の注意を払っています。経営面に関しては、自分の信じていることを正しく行い続ければ、良いお客様や力強いスタッフが集まると思います。売り上げはその後から・・・と考えています。利益優先でなく“今お客様が本当に必要としているものは何か”を考えながらきた結果、少しずつですがお客様に認めてもらえてきているのだと思います。

これから独立される方へ一言。

「人は心に想い描いた通りの人間になる」 うまくいくと思えばうまくいくし成功します。本当にやりたいことを、諦めないで行動に移せば良いのではないでしょうか。失敗しても何度でも次があるのだから、やりたいことを見つけたら本気で挑戦して欲しいと思います。