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開業体験談 Vol.21 「苦難の連続、マイナスからゼロになった時に社長へ」

jacomo.jpg今回は、モンド・ジャコモ有限会社代表、
高木博代氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。
開業を考えている方はぜひ参考にしてください。

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PROFILE

高木博代/ Hiroyo Takagi
モンド・ジャコモ有限会社 代表
昭和35年4月14日 生まれ B型

徳島県徳島市生まれ。36歳で独立。
24歳でいとこの創業したモンド・ジャコモに入社、店長として店を任される。経営危機から店を建て直し10年後、いとこから会社を買い取り、社長となる。
1978年11月に徳島市で開業。
座右の銘は、「継続は力なり」
好きなことは、「仕事」

COMPANY

モンド・ジャコモ有限会社
徳島県徳島市東船場町2丁目42番地
TEL.:088-626-1255
営業時間:AM11:00〜20:00
定休日: 無休
URL http://mondejacomo.com/

独立前の職歴、経歴を教えていただけないでしょうか。

大学を卒業してから徳島県の臨時職員・団体職員を経て、24歳の時に「モンド・ジャコモ」に入社しました。

「モンド・ジャコモ」に入られたきっかけ、独立のきっかけは何でしょう?

photo1.jpgいとこが「モンド・ジャコモ」の創業者だったのです。私は公務員をしていたのですが、店長が結婚を機に辞めるということで、いとこから何度も強い誘いがありました。あまりにもしつこいので、そのしつこさに負けてしまったというのが正直なところですね。
そして頼み込まれて入社した初めての決算の時、会計士の方に「赤字が続いているので、店をたたんだほうがいいですよ」と言われたのです。その時は目の前が真っ暗になるほどショックでした。「私が入ってこうなったのではないか」と思ったり、これからどうしたらいいのだろうとか、またその頃は変にプライドもあったのかな〜世間に対して恥ずかしいというか、辛いというか・・・本当に困り果てていました。でもそれがきっかけで頑張るようになりましたね。

photo2.jpgその当時は、駅前のシティに2店、高松に2店、合わせて4店舗ありました。私は徳島と高松のジャコモを管理していたので、朝6時に起きて徳島の店に顔を出し、そのまま高松に行って店を開け、夜に高松の店を閉めて徳島に帰ってくるという生活を続けました。365日休みなしで、睡眠時間が4〜5時間くらいでした。今でこそ高速道路があるからいいのですがそのころは、高松〜徳島の移動に何時間かかかっていましたので移動中に居眠り運転をしないように、車内でおかしを食べたりしていました。今までの人生の中で、一番働いたのが25歳から30歳までの期間だったのではないでしょうか。そうこうしているうちに経営的に考えて1店舗だけにしようということで、3店舗を閉める事になったのです。
そして入社して10年間店長をしていましたので、いとこは電話会社を設立していて、始めから私に任せきりでしたから、そろそろ名義変更をしようかということで、36歳の時に引き継ぐ形で独立したのです。私は開業したいと思っていたわけではなく、そういう流れになったということでしょうか。

新しく開業されたのではないので、幾らかかったとは言えないかもしれませんが、どのような感じでしたか?



血縁関係だからといって、ただと思われるかもしれないですが、そうではなく、いとこから受け継ぐ時、2500万円くらい支払ったと思いますよ。商品込みで全て含めて、ちゃんと支払って自分名義の会社にしました。ただでは受け継いでいません。

では、資金調達はどのようにしたのですか?

決算書を某銀行の支店長にお見せして、自分の実績を認めていただいて借り入れができました。入社当初は売り上げがマイナスだったので、自分の足で歩いて色々な商品を探したり、その商品を売っていき会社の売り上げを段々右肩上がりにしていったのですね〜あとは、両親が保証人になってくれて借り入れをしました。

物件や仕入れなどは 幾らかかりましたか?

物件は築30年になりますから価値がありませんでした。だから、支払った金額のほとんどは商品に対してです。

会社を受け継いでからの売り上げはどうでしたか?

売り上げはぼちぼちというか、まあまあ良かったと思いますよ。始めのスタートがマイナスだったので、頑張ってそれをゼロにした時に社長になりましたから。

辞めようとか、もう駄目だと思ったことはありませんか?

それは何百回もありますよ(笑)苦労は本当にありました。入社した時も商売が大変な時だったし。
でも、「辞めたい」とか「駄目だ」と思うことも人生に必要だと思う。それを打ち消して、無理して前向きに考えようとしたら倒れてしまいます。創業するということは、自分が倒れてしまったら会社も倒れるでしょう。だから自分を見直したり、悩んだりすることは大切だと思っています。どんどん悩んでどんどん考えて、その中から結果が出て来るのだと思います。

開業してよかったなと思うことはありますか?

photo3.jpg曲線を描く独特の内観それは沢山ありますね。普通皆さん店じまいの時はひっそりと辞めていくのですが、高松の店を閉める夜、店の前でお客様が小さな打ち上げ花火をしてくれまして「徳島でもがんばってね〜」など励ましてくれたのです。その時は涙が出て止まりませんでした。あの時励ましてくれた方は、今でも忘れません。また、関連のある企業の方々との出会いによって勉強になるし、何よりお客様に感謝していますね。お客様と従業員に感謝しています。
曲線を描く独特の内観

成功したポイントは何でしょう。

分かりません。神様のお陰でしょうか(微笑)8年前にボードウォークのパラソルショップができた時に、徳島の町の活性化チームに入ってボランティア活動をしたのです。そのボランティア活動をする中で、外側から自分自身と自分の店が見ることができたし、徳島をどうしたら活性化できるか察知することができました。その時パラソルショップを通して頑張っている出店者の方々と知り合いになり、色々な方と分かり合うことにより付き合いの幅が広がりましたし、自分の方向性が決まってきたと思いました。だから、色々な人との付き合いがポイントでしょうか。

これから独立される方に一言。

頑張っている人、意欲のある人と一緒に行動するということが大切だと思います。 そうすることで、常にいいパワーをいただけますから!(笑)