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開業体験談 Vol.3 「建設業からの業態変更。悔いのない人生を精一杯。」

nobata.jpg今回は、有限会社野畑建設 代表取締役、BAR&SALON namida オーナー、Flower&Gairden ブーケ 代表取締役、Darts&Bar グランクリュ オーナー、野畑勝良氏の独立開業体験談を紹介させていただきます。開業を考えている方はぜひ参考にしてください

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PROFILE

野畑勝良 / Katsuyoshi Nobata 
有限会社野畑建設 代表取締役
BAR&SALON namida オーナー
Flower&Gairden ブーケ 代表取締役
Darts&Bar グランクリュ オーナー
昭和49年8月5日 生まれ O型

徳島県海部郡生まれ。31歳で独立。
大阪で職を転々とするが父の死をきっかけに帰郷。父の会社を継ぐことになる。
2006年11月に徳島市両国橋で開業。
座右の銘は、「一期一会」

COMPANY

有限会社野畑建設
BAR&SALON namida
Flower&Gairden ブーケ
Darts&Bar グランクリュ
徳島県両国橋5-1福助第二ビル

独立前の仕事は何をされていましたか?

 高校を1年で中退してしまい、そのまま大阪に出て、まず建設の仕事に就きました。それからアルバイトなどで、そうじ屋(ハウススクリーン)や、土木の仕事、バスの車掌などいろいろ経験しましたし、最後はエステの営業などもしていました。

それはすべてお勤めで?

はい、そうです。最後のエステは独立採算性でしたのでほぼ自分でしていました。

徳島に帰られたきっかけは?

photo-1.jpgFlower&Gairden ブーケ私は長男だったので、いずれは徳島に帰るつもりではいたのですが、父が亡くなり急なことになってしまいました。

私は土木の資格も持っていましたし、とび職の経験もありましたので父が経営していた建設会社を継ぐ事になりました。昔は建築業はよく儲かるイメージがあったと思いますが、 今では100円のものを70円で売るような商売になってしまったのです。だいたい年間2000万くらいの赤字を出しました。しかし従業員の生活を考えるとなかなかやめるわけにもいきません。業界が厳しくなってきているのに経費はかかる一方ですから。
こんなにもの赤字をだしているようではもうだめだろうと思い、業態変更にふみきりました。厳しいだろうけどどうにかやっていけるだろうと…。

こちらのお店を出されるとき、資金調達はどうやってされたんですか?

自己資金が70%でしたね。残りの30%は銀行からの融資でした。経営計画書をつくって銀行に持っていきました。

銀行からの融資は順調にいきましたか?

いきなり行ってもだめだったと思います。
僕の場合は銀行に紹介してくださる方がいて、その方に相談しながら進めたので順調にいったと思います。また、建設業から飲食業への業種転換ということで、銀行は暖かく対応 してくれたと思います。人の出会いは大切だなと思いました。

開店準備にかかったお金はどれくらいでしたか?

photo-2.jpgBAR&SALON namida1店舗目は水廻りの設備や内装、テーブル・ソファ・照明具等のインテリアと諸経費なども入れて1500万くらいかかりました。
私は建設関係でも土建屋だったので内装についての知識は全くありませんでした。内装屋さんは知人の紹介でお願いしました。でも、最初は要領がよくわからない為使いたいインテリアや内装の材質などの妥協がなかなかできませんでした。そのため、思ったよりも高額の費用がかかってしまいました。2店舗目からは要領を得てコストダウンする事ができましたが…。

創業時の売上はどうでしたか?

思っていたより悪かったです。本当に最低ラインでした。
最初は毎日チラシやフライヤーを街角で配りましたねぇ。

やめたいなと思ったときはありましたか?

最初の1ヶ月は目新しかったので皆さん来てくださいました。けれど2ヶ月目からお客様も減ってきました…。とは言ってもやめられないですからね。やめたいと本気で思うより、どないしようかなという思いが強かったです。
色々なところに勉強しに行きました。分からないことが多いとやっぱり売上も上がらないし、あたりまえやな、と思っていました。

いつごろから軌道にのってきましたか?

まだのってない(笑)
3・4ヶ月くらいからですかねぇ。そのくらいから固定客がついてきました。やはり固定客をつかむことは大事ですね。

どんなこと考えられました?

何が悪いのだろうと考えて、椅子の並びを変えたりしました。自分が座ってみてどこが気になるか、狭いと感じるか、音楽が小さいのか大きいのか・・・、細かいところから気をつけていました。

開業してよかったなと思うことは?

photo-3.jpgDarts&Bar グランクリュやっぱり面白い。
知らない業界だから勉強になります。ああ、そうなんだ、とそれが面白い。だめだったことも勉強になりますねぇ。大阪でいたころや土木業の苦労から考えると夢がありますし。
それに命あるだけありがたいです。
本当にやりたかったことができるという幸せでしょうか?

開業で悩んだことはありますか?

やりたい気持ちが大きかった。
何でもやってみないとわからない。
いいこともあるし、悪いこともあるしね。

開業する時って思い切りが必要だと思いますが?

営業経験はありましたが、一般客向けの販売の客商売はあまりやったことがなかったので色々考えました。しかし、もともと建築で2000万円もの赤字が出ていたし、少しくらいの赤字がでてもそんなに気になりませんでした。考えてもやってみないとわからないので、焦らず、ゆっくり、計画的に進めていきました。

成功したポイントは何でしょうか?

考えることですね。何をひとつするにしても、これをこうしたらどうなるか?お客さまに対して何を言うにしても、勧めるにしても考える。
常に変えていくことです。

大変失礼ですが、高校中退で苦労したことはありますか?

16〜17歳で大阪にでたのですが、皆は学校に行っていたけど、私は早く社会経験したいと思いましたねぇ。
多少困ったときはありましたけど、それをどう感じるかですね。
履歴書に高校中退って書くときはさすがに落ち込みました。でも学歴不問という会社で働いていくことには何の不都合もありませんでしたよ。 だから、あまり自分が高校中退であることを感じませんでしたね。

バーに続いて花屋をオープンして、大変だったんじゃないですか?

大変でしたよ。
でもそれが楽しくもあります。

その原動力にはお父さんが亡くなられたこともあるのでは?

んーそれはあまりないんですけどね。
小学生のときは、会社の社長なのに親父が長靴はいて作業着着て仕事してるのを汚いと思っていました。でも今なら、きっと違うと思う。
父の死に際、皆が集まりました。死ぬとき幸せだったらいいんじゃないかな。
命があれば何でもできる。だから命があればいい。人生一回きりだからやれるときにやる、一生懸命やって失敗したんならそれでいい。

独立されるかたへ一言

どうにかなる。やってみないといいことも悪いこともわからない。
いいと思っていた ことが悪いこともあるし、逆もある。そのときの自分によって変わってくる。やらなければ始まりません。
失敗した経験が後で絶対生きてくる、あぁ、失敗してよかったなと思 う。まずやってみること。やってみないと後で絶対悔まれる。やってみて失敗することを恐れてい るようではだめ。やってないから成功するかどうかもわからない。後悔するんだったら自分のタイミングでやってみたらいい。焦ってするのとは違う。

最後に一言

家族に会えて良かった!