注染の工程
1. 型置(板場 いたば)
晒上りの生地を糊付台の上に敷き、「伊勢形紙」を謄写版のように生地の上にのせて、
上からヘラで防染糊をつけ、一型毎に生地を折りたたんで糊つけを行います。
ここで約1m毎に折りたたみますので1反につき12回折り返す事になります。
それを3~4反つみ重ねて糊付台からおろします。生地の折り返しには相当の技術を
要し細かい柄ほど念入りに行わなければなりません。
2. そそぎ染(壺人 つぼんど)
板場で型置きされた生地を染め台の上に置き、生地の上から染料を注ぎ込んで染め、
さらに生地を反転させ同じ方法で再度染めます。
このように生地の表と裏から二度染色するのが「そそぎ染」最大の特長であります。
この技法は、手作業を中心に長年にわたって培われてきた、
職人達の優れた技術と感覚で、他の染色方法では味わう事のできない独特の色あい、
微妙なタッチや立体感等が表現できます。
3. 水洗(浜 はま)
染め終わりますと型置きの時の糊と上かぶりした余分な染料を充分に洗い落とします。
この作業に携わる職人を浜方(はまかた)といいます。
4. 乾燥(立干し たてほし)
充分水洗いの終わった生地を遠心分離機によって完全に脱水し、天日乾燥や室内の
乾燥設備で立干しします。